今回は、中国のオオクワガタ、ホペイオオクワガタのペアリング~割り出しまでを記事にしてまとめてみました。正直、飼育法は日本のオオクワガタと何も変わりませんが参考になれば幸いです。以下常体。



【ホペイオオクワガタについて軽く解説】
学名Dorcus hopei hopei。生息域は中国の黄河以南。日本、朝鮮半島、中国北東部に生息するオオクワガタ(Dorcus hopei binodulosus)はこれの亜種に当たる。
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(図:中国・黄河)
生態、形態ともに日本のオオクワガタに非常に類似しているが、本種は比較的身体と大顎が太く、大顎の湾曲も大きい。また、大型個体になると上から見た時に外歯と内歯が重なるように見える傾向がある。




【種親紹介】
オス(74mm)
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張飛オスとM-127メスを掛け合わせたセブンオークスさんの血統。累代不明。70mm台前半とサイズは大きくはないが、下半身(上翅)の横幅と比べて前胸背板と前頭が太く、大顎の基部も太いため逆三角形体型で頑強な印象を受ける。

能勢YG血統の国産オオクワガタ(Dorcus hopei binodulosus)と比較
1702能勢YG83.4mmとの比較
左:ホペイオオクワガタ 右:能勢YG(83.4mm)
国内の有名大型血統の中でも直線的な大顎を持つ能勢YGの写真と並べて比較してみると、大顎の太さとその湾曲の強さ、そしてホペイの特徴である俯瞰した時の外歯と内歯の重なりがよく目立つ。対する能勢YGは体長の内その大顎の占める比率の高さと、スラッとした形状がよく目立ち、お互いの特徴を引き立て合っているように思う。

メス①(46mm)
オスとは別血統の福建省北峰産の個体

メス②(45mm)
オスと同腹の個体




【ペアリング】
メス①とのペアリング(4/8~4/12)
数日間同居させてペアリングを行うつもりだったのだが、オスのいる飼育ケース(プリンカップ)にメスを入れた途端、オスが活発な反応を見せた。
触覚を激しく動かし、メスの存在を確認するように大アゴをメスの身体の上に乗せメイトガードの体勢をとった。3秒ほどその体勢をとった後、メスとV字になるように身体を回転させて後脚でメスの上翅を擦り交尾を促し始めた。
しかし、尻からゲニタリアを出し、挿入を試みるがなかなかうまくいかない。2,3分ほど挿入に手こずるとオスはメイトガードの体勢に戻り、大アゴでメスの身体の向きを確認すると、再び身体を回転させV字になり交尾を試みる。これを何度も繰り返し、7度目でやっと交尾に成功する。交尾時間は4分程であった。精子の受け渡しがこれで充分であるか不安だったため、念を入れて当初の予定通りそのまま5日間同居させた。
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メス②とのペアリング(4/13~4/15)
こちらは即座に交尾することもなく、普通に同居させてペアリングを行った。4月上旬ということで気温が安定しなかったため、暖かい空気が滞留している部屋の高い位置に飼育ケースを置いておいた。




【産卵セット~割り出し】
今年は必要最低限をコンセプトに産卵セットを組んでみたが、結果的には失敗した部分が大きかった。オオクワガタは乾燥気味の材でも産んでくれるため、メス①の1セット目はコンセプト通り産卵木への加水を必要最低限に抑えた。目論見通り、メスはよく材を齧り問題なく産卵していた。ここまでは良かった。しかし、水分が少ないために産卵木が硬すぎて6月中旬に行った割り出しで苦労する羽目になってしまった。通常であれば、ナイフで大まかに産卵木を分解し、そこから手で割くようにして割っていくのだが、今回は手で割くどころかナイフさえ通らないほど材が硬かった。
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完全に乾燥した状態で420gの材に147mlの水を加水し、皮も剥かずにそのままマットの上に転がしメスを投入した。産卵は順調だったが、あまりに堅く割り出せず。しかし、改善点が見つかったと前向きに捉えようと思う。産卵木はやはり割り出しの時の事も考えて3時間以上水に浸してたっぷりと水を含ませ、その後、下に水が落ちるような網の上か、もしくはキッチンペーパーや段ボールなど吸水性の高い物の上で半日ほど陰干しして余分な水分を抜き、皮を剥いでマットの中に2週間~1カ月ほど浸けこんでおくのが良い。

今年は実験の意味を込めて、木の種類を変えたり、自分で菌糸を回した材を使用したり、菌床を使用したりと色々試してみたので、その結果を簡記しておく。

メス①
1セット目(4/13~4/27)
乾燥した状態の材の重さの35%の重量の水を加えた、つまり全体重量の約26%が水分のクヌギ材を使用した。産卵はうまくいったのだが、あまりに堅すぎたため菌糸を回し柔らかくしようとしたが、それでも中々柔らかくならなかった。仕方なく割り出しは諦め、材はマットに埋めた。
結果:割り出し断念

2セット目菌床(5/4~5/28)
市販の菌床産卵セットを購入し、少し菌糸をスプーンで掘り、そこにメスを突っ込んだ。ケースの大きさに対し採れた幼虫の数はそこそこだったが、何より孵化後すぐに菌糸を食べているためか割り出した時点で幼虫が大きいように感じた。
結果:幼虫11頭

メス②
1セット目(4/25~5/7)
去年使用したオオヒラタケ菌糸ビンの余りを利用してクヌギ材に菌糸を回してオオヒラタケ材にして使用した。水分量はメス①のクヌギ材と同じだが、菌に分解されて材が柔らかくなっており割り出しが簡単だった。
結果:幼虫10頭

2セット目(5/10~5/28)
低加水率のナラ材を使用。同じく材が硬く割り出しが困難だったため、菌糸を回して柔らかくした。木の種類の違いのためか、あるいは菌による分解がうまく進んだためか、こちらは何とか割り出を行えるレベルの柔らかさになった。セット時の気温と期間の差の影響はあるだろうが、1本の材からかなりの数の幼虫が採れたため、産卵材はクヌギよりも安価なナラで充分かもしれない。
結果:幼虫20頭
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