今回はクワガタファンからいぶし銀の格好良さで人気を集める
国産ミヤマクワガタ(Lucanus maculifemoratus maculifemoratus)について、記事を書いてみたいと思います。






DjBhbpwU0AAhCai

日本ではノコギリクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタに続いてメジャーなクワガタの一種ですが、このクワガタがアゴの形状によって3つの型に分類されることを知っている人は、あまりいないのではないでしょうか?(虫好きには当然の知識ですかもしれませんが)




クリックで応援よろしくお願いします
新しいタブで開きます

にほんブログ村 その他ペットブログ クワガタへ
にほんブログ村






ミヤマクワガタはそのアゴの形状や体色の違いにより、型と呼ばれる多形が存在します。
型の名称は文献によってことなりますが、その数は大きく分けて3つです。

アゴ形状

・サト型:他2つの中間の型。第3内歯(大腮先端内歯)が第1内歯と同じかやや短く、
     大腮先端外歯とほぼ同じ長さ。ヤマ型、基本型とも呼ばれる

・フジ型:第3内歯(大腮先端内歯)が第1内歯より著しく短く、大腮先端外歯よりも短い

・エゾ型:第3内歯(大腮先端内歯)が第1内歯より長く、横に突出している


又、アゴの形状だけでなく体色にも違いが見られ、サト型フジ型は腿節が黄褐色になるのに対して、
エゾ型の個体は黒化することが知られています。
ミヤマ 型 体色



型の発現要因



ミヤマクワガタが3つの型に分類された当初から、どの型も日本全国に見られ地域性は薄いと言われていました。

小島啓史が著書の中で、エゾ型の新成虫から得た子を東京で飼育したところ、全てフジ型になった事を報告し、更にその後の研究で16℃前後で飼育された個体からエゾ型が多く得られ、23℃以上ではフジ型しか羽化せず、20℃の飼育では3つの型全てが発現することが分かりました。

これらの実験によりミヤマクワガタの型の発現は遺伝的多形ではなく、幼虫期の温度環境による「生態型」であるという事が判明しました。
北海道ではエゾ型が多く見られ、フジ型は南部のこく狭い地域でしか採集されないこと、
逆に九州ではフジ型が多く見られ、エゾ型はほとんど採集されない理由が遺伝的な個体群の差ではなく、気温によるものだということも明らかになりました。

温度環境とミヤマクワガタの形質との定量的な条件が確認されれば、ミヤマクワガタの採集記録や標本を精査することで、温暖化やヒートアイランド現象による気温上昇の様相を把握できる可能性があります。
ミヤマクワガタは気温の変化を知るための指標昆虫としての価値もあるということですね。